My Life Without Me

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— 死後に残るものは、記録ではなく配置かもしれない —

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Kosuke Shirako

死ぬまでにしたいことは、もっと大きなものだと思っていた。

遠くへ行くこと。
何かを成し遂げること。
見たことのないものを見ること。

でも、「My Life Without Me」で残される願いは、とてもささやかだ。

誰かを愛すること。
子どもに言葉を残すこと。
自分がいなくなったあとも、家族がちゃんと生きていけるようにすること。

彼女は死を恐れていないように見える。

むしろ考えているのは、自分がいなくなったあとの時間だ。

録音された声は、記録ではない。

それは未来に置かれた小さな出来事だ。

ある日、娘がその声を聞く。
ある瞬間、残された人がその言葉を思い出す。
そのとき、死んだ人は過去としてではなく、もう一度その人の現在に現れる。

人が死んだあとに残るものは、情報ではないのかもしれない。

誰かの未来の行動を、ほんの少しだけ変える配置。

それが、残るということなのかもしれない。


© SHIRO & Co.

First published: 2026-09-07